Application Expressについて

Oracle Application Express (Oracle APEX)(旧名称はHTML DB)は、Oracle Databaseの完全サポートされたコストのかからないオプションです。Oracle Application Expressは、Oracle Database 10g Express Edition (Oracle XE)も含め、Oracle Database 10.2.0.3以上のすべてのエディションで動作保証されています。

Oracle Application Expressは、Oracle Database 11gとともにシード・データベース・インストールの一部としてインストールされます。最新バージョンのOracle Application Expressは、Oracle Technology Network (OTN) [http://otn.oracle.com/apex]から無償でダウンロードできます

ブラウザ・ベース

Webブラウザおよび限られたプログラミング経験のみを使用してすぐに中心アプリケーションを開発できます。ブラウザ・ベースの開発では、最新のWebブラウザのみを使用するほとんどのコンピュータでアプリケーションを開発できます。

Rapid Application Development (RAD)

単純なウィザードと宣言的プログラミングを使用して、強力なレポートおよびデータ・エントリ・アプリケーションを作成します。スプレッドシートのアップロードから、または既存のデータベースの表およびビューを基にして、アプリケーションを作成できます。Oracle Application Expressには、アプリケーションをサポートするデータベース・オブジェクトを作成および管理するためのSQLワークショップが含まれます。

宣言的な開発

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Application Expressでは、コーディングは宣言的です。つまり、コードの生成やコンパイルは不要で、開発者はウィザードやプロパティ・シートを操作します。レポートおよびチャートの定義にSQL言語を使用するので、SQLの知識があると役立ちます。プロシージャ・ロジックが必要な場合、PL/SQLを使用してコードのスニペットを作成できます。宣言的なコードを使用することで、開発者間の不一致はほとんど発生せず、この一貫性により、Application Expressアプリケーションのメンテナンスおよび管理が容易になります。

Application Expressエンジンでは、データベース表に格納されたデータからリアルタイムでアプリケーションがレンダリングされます。アプリケーションを作成または拡張する場合、Oracle Application Expressではメタデータが作成または変更されます。アプリケーションを実行すると、Application Expressエンジンはメタデータに基づいて、ページを表示またはページ送信を処理します。これは、アプリケーションの実行中、複数の開発者が同じページを編集することができ、変更が即座に表示されることを意味します。コンパイルやデプロイは必要ありません。

Oracle Application Expressの宣言的プログラミングの例:

フォーム

ウィザードを使用すると、表またはストアド・プロシージャに対してフォームを簡単に作成できます。表に対してフォームを作成する場合、これらのウィザードでは、挿入、更新および削除の自動管理および失われた更新の検出機能が提供されます。フォームを作成すると、ビジュアル表現を使用してフォーム・フィールド(フォーム・アイテムと呼ばれる)を再配置でき、希望するレイアウトを簡単に実現できます。

対話モード・レポート

対話モード・レポートを作成するには、開発者は表を選択するか、SQL文を指定します。必要に応じて、エンド・ユーザーが使用できる機能を制限できます(ダウンロードのオフ、列の非表示の無効化など)。エンド・ユーザーにはレポートが提供され、機能はアプリケーション内のすべてのレポートで同じです(カスタム・ビューのフィルタ処理、ハイライト、サブスクライブおよび保存方法など)。

セッション・ステート

Oracle Application Expressでは、データベースのセッション・ステートが透過的に管理されます。SETもGETもありません。それらはすべて開発者の代わりにOracle APEXが処理します。アプリケーション開発者は、標準のSQLバインド変数構文と同様に単純な置換を使用してセッション・ステートにアクセスできます。ページのセッション・ステートをクリアするプロセスの作成は、マウスを数回クリックし、希望のページを指定する単純なものです。

Application Expressのコンポーネント

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アプリケーション・ビルダー - データベース・アプリケーション

アプリケーション開発者は、ウィザードを使用してページで編成されたアプリケーションを宣言的に構築できます。ページ・コンテンツは、リージョン内に編成されます。リージョンには、テキスト、カスタムPL/SQL、レポート、チャート、マップ、カレンダ、Webサービス参照またはフォームを含めることができます。フォームは、多数の組込みタイプ(テキスト・フィールド、テキスト領域、ラジオ・グループ、選択リスト、チェック・ボックス、日付ピッカーおよびポップアップLOVなど)から選択可能なフィールド(アイテムと呼ばれる)で構成されるか、開発者がプラグイン・サポートを使用して独自のタイプを作成することができます。表の更新機能が組み込まれており、PL/SQLをデータの処理に使用できます。セッション・ステート(アプリケーション・コンテキスト)は透過的に管理され、ユーザー・インタフェース・プレゼンテーションはアプリケーション・ロジックから分離されているので、アプリケーションのルック・アンド・フィールは別のテーマを選択することで簡単に変更できます。

アプリケーション・ビルダー - Webシート

Webシート・アプリケーションを使用すると、エンド・ユーザーは開発者のサポートがなくても、構造化データおよび非構造化データを管理できます。ページ・セクションは、非構造化データを含み、WYSIWYGエディタを使用して編集されます。レポートではSQLの記述によってデータベース・データへのアクセスが提供されます。データ・グリッドでは、SQLを記述しなくても構造化データが管理されます。列の追加、列の名前の変更、および検証は、実行時ダイアログを使用して定義されます。各ページおよびデータ・グリッドの各行は、ファイル、タグ、ノートおよびリンクで注釈を付けることができます。ページには、セクションおよび、レポート、データ・グリッドが含まれ、すべてがリンクされ、ナビゲーションを提供できます。すべての情報は、検索可能でエンド・ユーザーによって完全に制御されます。

SQLワークショップ

SQLワークショップでは、データベース・オブジェクトの表示および管理を可能にするツールが提供されます。オブジェクト・ブラウザでは、ツリー・コントロールを使用してオブジェクト・プロパティの表示および新規オブジェクトの作成を行います。SQLコマンド・ツールを使用すると、非定型SQLを入力できます。クエリー・ビルダーでは、ドラッグ・アンド・ドロップで結合問合せを作成できます。SQLスクリプトを使用すると、スクリプトの格納および実行ができます。データ・ワークショップでは、テキスト、DMLおよびスプレッドシート・データのロードおよびアンロードができます。

チーム開発

チーム開発は、アプリケーションの開発のライフサイクルの管理に役立ちます。アプリケーション機能、To Doエントリ、バグおよびエンド・ユーザー・フィードバックの追跡および管理も行います。チーム開発は、Oracle Application Expressアプリケーション・ビルダーと密接に統合されます。たとえば、編集ページにはオープンなフィードバック、バグおよびTo Doがリストされます。

管理

Oracle Application Expressの各ワークスペースは、他のワークスペースから完全に切り離された別個のアプリケーション開発環境です。管理コンポーネントでは、サービス(使用可能なスキーマ、領域リクエスト、プリファレンス)、ユーザー(開発者およびエンド・ユーザー両方)、およびワークスペース・アクティビティ(ページ・ビュー、ログイン試行、開発者アクティビティ)を含むワークスペースの管理が可能です。アクセスは、ワークスペース管理権限を持つOracle Application Express開発者に制限されます。