アーキテクチャ

Application Expressでは、Oracle DatabaseへのWebリスナーを介してユーザーのコンピュータ通信にWebブラウザが利用されます。ブラウザ以外のクライアント・ソフトウェアは、開発、デプロイまたは実行時には必要ありません。Application Expressページはブラウザ内のHTMLを使用してレンダリングされます。ページ・リクエストと送信は、Oracle Database内のApplication Expressエンジンに送信されます。


メタデータ・ドリブン

Oracle Application Expressは、Oracle Databaseの統合された機能です。Oracle Application Expressの中核は、300以上の表、300,000行を超えるコードを含む200以上のPL/SQLオブジェクトです。Application Expressエンジンは、Oracle Application Expressメタデータ・リポジトリ内に含まれるデータからリアルタイムで動的にページをレンダリングします。

アプリケーションを作成または拡張すると、Oracle Application Expressでは、そのデータベース表に格納されるメタデータが作成または変更されます。アプリケーションを実行すると、Application Expressエンジンはメタデータを読み取り、リクエストされたページを表示するか、ページ送信を処理します。

アプリケーション内のステートフルな動作を提供するため、Oracle Application Expressでは、データベースでセッション・ステートが管理されます。アプリケーション開発者は、単純な置換や標準のSQLバインド変数構文を使用してセッション・ステートを取得および設定できます。

Webリスナー

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Oracle Application Expressリスナー

Oracle Application Expressリスナーは、Apache mod_plsqlに対するJavaベースの代替機能です。Oracle Application Expressリスナーは、Oracle WebLogic ServerおよびOC4Jにおける実行がサポートされています。

Apache MOD_PLSQL

Oracle Application Expressエンジンにアクセスする方法の1つは、mod_plsqlプラグインを含むOracle HTTP Server (Apache)を構成することです。プラグインは、WebサーバーとOracleデータベース内のOracle Application Expressオブジェクトの間の通信ブローカとして機能します。これにより、ブラウザ・リクエストがデータベース・ストアド・プロシージャ・コールにマップされます。イメージはファイルシステムに格納され、Apacheで処理されます。Apacheを使用すると、Webリスナーをデータベースと同じ物理マシンまたは別の物理マシンに置くことができます。

埋込みPL/SQLゲートウェイ

埋込みPL/SQLゲートウェイ(EPG)は、Oracleデータベース内のXML DB HTTPサーバーで実行され、mod_plsqlのコア機能を含み、Oracle HTTP Server powered by Apacheは必要ありません。EPGでは、データベースからのイメージ、CSSおよびJavaScriptを含むすべてのファイルが格納され、処理されます。EPGは小規模な構成の場合に便利です。EPGは、大規模な本番ユースケースやインターネット対応アプリケーションにはお薦めしません。

マルチ・テナント

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Oracle Application Expressにより、1つのデータベースが多数のアプリケーションおよびユーザーのホストとなることができます。開発者は、1つ以上のスキーマに対するアプリケーション開発用ワークスペースとなる専用ワークスペースで作業します。この柔軟なアーキテクチャにより、単一のデータベース・インスタンスをPlatform as a Service (PaaS)として機能させることができ、組織内にホストされたイントラネット機能が提供されます。

レポート

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Oracle BI Publisher

Oracle BI Publisherを使用する場合、Oracle Application Expressは高品質の出力機能を提供するよう構成できます。Oracle Application Express内で、開発者はバインド変数を含む複数の問合せを宣言的に定義して、レポート・レイアウトの基礎をOracle BI Publisherで形成してから、これらのレポートをOracle Application Expressアプリケーションに統合できます。

他のレポート・サーバー

レポート・サーバーには、Oracle BI Publisher、Apache FOP付きOC4Jまたは別の標準的なXSL-FO処理エンジンを使用できます。

Application Express内でレポート・サーバーを構成すると、PDFなどの様々なレポート形式を対話モード・レポート・リージョンからダウンロードできます。

相互運用性

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Webサービス・サポート

Application Express Webサービス・エンジンでは、緩やかに定義されたタイプおよびドキュメント・スタイルのWebサービスがサポートされます。これにより、JDeveloperで作成されたWebサービスおよびOracle BPEL同期Webサービスをサポートできます。SSL (HTTPS)を介してWebサービスと対話したり、基本認証を必要とするWebサービスと対話することができます。Application Expressエンジンが特定のサービスのWSDLドキュメントを正しく解析できない場合、手動でWebサービス参照を作成することもサポートされています。他の情報の中にSOAPリクエスト・エンベロープおよびURLエンドポイントを指定するだけです。

Application Expressには、RESTful Webサービスを定義するタスクを簡略化するウィザードが用意されています。パブリック・リージョンを定義してREST Webサービスを生成することもできます。

データベース統合

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Oracle Application Expressは、Oracle Databaseと密接に統合されています。

SQL

SQL問合せおよびDML操作をネイティブに作成します。バインド変数構文を使用してバインド変数にアクセスします。

select ename, job from emp where empno = :P2_EMPNO
PL/SQL

ページ・プロセス、アプリケーション・レベル・プロセスおよびコンポーネント条件テキストで、PL/SQLをリージョン・ソースとしてネイティブに使用します。バインド変数構文を使用してセッション・ステートを参照します。バインド変数構文を使用してセッション・ステートを設定します。

Oracle Databaseのパッケージ、プロシージャおよびファンクションへのコールは、リージョン・ソースに組み込むこともできます。

begin
   htp.p('HELLO WORLD'); 
end;
Oracle Text

Oracle Textのcontains句を使用してドキュメントの全文検索を実行します。

select * from emp where contains(resume, :P1_SEARCH, 1) > 0
XML DB

XMLとして格納されるデータを問い合せ、XMLデータタイプのデータにアクセスし、Oracle XML DBの機能を利用するXPath問合せを実行します。

select XMLCast( XMLQuery ('$p/PurchaseOrder/Reference/text()' 
passing object_value as "p" returning content) as VARCHAR2(32)) "Reference" 
from purchaseorder 
where XMLExists('$p/PurchaseOrder[User/text()="SBELL"]' 
passing object_value as "p")
Oracle Real Application Clusters

Oracle Real Application Clusters(RAC)が提供する高可用性およびスケーラビリティによって、企業はIT投資に対する高い成果を確保できます。Oracle Application ExpressをOracle RACと組み合せることで、ユーザーは基幹データへのアクセスを継続したままアプリケーションを迅速に作成、変更およびデプロイすると同時に、Oracle RACで提供される堅牢で透過的なインフラストラクチャの恩恵も受けることができます。

Oracle Spatial

Oracle Application Expressを使用して空間問合せと空間データを統合します。

declare
   l_thumb    blob;
begin
   -- resize image
   select blob_content into l_thumb from mytable where id = :ID
   ordsys.ordimage.process(l_thumb, 'maxScale=64 64');
end;
Multimedia

Oracle Multimediaは、Oracle Database Standard EditionおよびEnterprise Editionの機能です。最もポピュラーなマルチメディア形式を組込みメタデータ抽出および基本イメージ処理とともにサポートします。Oracle Multimediaは、DICOMコンテンツの包括的なサポートも行います。Multimediaには、Oracle Application Expressアプリケーション内からPL/SQL APIを使用してアクセスできます。

分析関数

分析関数を使用して強力なlag、leadおよび他の分析関数を統合するSQLを作成します。